
霊性とは、魂の性情と格式です。分かりやすく言えば「魂の情報すべて」です。詳しくは「霊性とは何か」でお話ししていますが、実はこの霊性、もう少し細かく見て、ひとつだけでなく、3つの霊性に分けて捉えると見えてくるものがあります。
このページでは、霊性の中身から「3つの霊性」── 今の霊性・適正霊性・求められている霊性 ── について、できるだけわかりやすくお伝えします。この3つを区別することで、苦しみの原因と対処が理解できるようになります。
なぜ霊性を「3つに分けて考える」のか
霊性のごく一部 ── でも、自分を見つめるのに役立つ3つ
霊性には、実にさまざまな情報が含まれています。
私の師匠は、漏尽通の一つである「ご法」── 神仏に問いかけて答えをいただく奥義 ── を通じて、その中身をうかがい知ることができます。師匠から聞いたさまざまな霊性の中身のなかから、ご自身を見つめるうえで特に役に立つ3つを取り出して、お伝えしているのが「3つの霊性」です。
「漏尽通」や「ご法」について詳しくは、別記事で → 神通力とは ─ 六神通とご法
ここで扱う3つの霊性は、霊性の中の魂の格式、霊格の話なので、3つの霊格といってもいいのですが、霊性に霊格が含まれているので、3つの霊性と表現しています。
霊性は、日々の生活のなかで上下しますし、何年もかけて少しずつ深まっていく面もあります。さらに、その方が今世で到達するべき、あるべき霊性というものもあります。
そういった霊性を3つに分けて名前をつけました。
- 今の霊性 ── 今この瞬間の、現在の霊性
- 適正霊性 ── その方が今、到達できる上限の霊性
- 求められている霊性 ── 生まれ持った、あるべき霊性
この「3つの霊性」は、私たちの独自の表現です
最初にお伝えしておきたいのですが、この 「3つの霊性」の名前は、私たちの独自の表現です。
霊性の中身を知ることの出来る人は限られており、私の知る限り、霊性の性質を細かく理解して説明している人はおりません。
そのため、説明する言葉がありません。伝えるために私たち独自の表現を使っています。
自分の状態や、人生の課題を見るうえで、この3つを理解すると、見えてくるものがあります。
それぞれ、性質も、変わり方も、向き合い方も違います。順番に見ていきましょう。
① 今の霊性 ─ 現在の状態を表すもの
「今の霊性」とは
「今の霊性」とは、その名のとおり、いまこの瞬間の霊性のことです。普段、私たちが「霊性」と言うとき、この「今の霊性」を指しています。
日々上下する性質
今の霊性は、日常生活のなかで上がったり下がったりを繰り返します。1日のなかでも変わりますし、人と会った直後、特定の場所に行った後、感情が大きく動いた後など、ちょっとしたことで変動します。
何で上がり、何で下がるのか
霊性が高まる方向に働くもの
- 祝詞・お経を唱える
- ヨーガ・呼吸法・瞑想
- 神社仏閣への参拝
- 喜び、感謝など、心地よい気持ちでいる
- 海、山、自然の中に行く
霊性が下がる方向に働くもの
- 強い怒り・恨み・嫉妬・恐怖など、心の乱れ
- 人込み・霊性の低い場所に行く
- 自分や他人を否定する考え
- 穢れの蓄積
「今日は調子が悪いな」「あの場所から帰ってきてから疲れている」── こうした感覚は、まさに「今の霊性」が下がっている合図かもしれません。
「今の霊性」が下がる4つの要因と、日々のなかで高め直す方法については、こちらで詳しくお話ししています。
→ 霊性を下げる要因と、その対処
② 適正霊性 ─ その方が今、到達できる上限の霊性
「適正霊性」とは
「適正霊性」とは、その方が現状で到達できる上限の霊性のことです。
今の霊性との違い
「今の霊性」が日々大きく上下するのに対して、「適正霊性」は日常生活において大きくは上下しません。緩やかに変化していくものです。
例えるなら、海の表面の波が「今の霊性」、水深そのものが「適正霊性」です。表面の波は風の影響で常に動きますが、水深はゆっくりとしか変わりません。
体調不良との関係
霊性が下がって体調が悪くなることがあります。
霊性が下がるといっても、霊性の勉強をしている人の霊性が、勉強をしていない人レベルまで下がることは通常はありません。
これは「適正霊性に対して、今の霊性が大きく下がり、その差が広がっている状態」だと考えることができます。
適正霊性と、今の霊性のギャップが大きい。そのギャップが心身の不調として現れているのです。
適正霊性を高めるには
適正霊性は、日常生活では大きく変化しません。
神社・仏閣に参拝する。山での峯入り、師匠に指導を受ける、儀式に参加する。そういった高い霊性の影響によって大きく引き上げられます。
適正霊性を下げないために
引き上げられた霊性は自分の霊性としてなじむまでにゆっくりと下がってしまいます。
日々の生活のなかで低霊性の影響を受けたり、心が乱れていたりして、今の霊性が下がったままでいると、その霊性に引っ張られ緩やかに下がっていきます。
下がってはレッスンによって引き上げられる。下がっては引き上げられる。この繰り返しで霊性は高まっていくのですが、下がる量を減らして、右肩上がりに高まっていく努力が求められます。

適正霊性を高めるためには、ひとりで学ぶよりも、信頼できる師のもとで学ぶことに大きな意味があります。詳しくは別記事で → 独学で霊性を高めるのが難しい理由
③ 求められている霊性 ─ 生まれ持った、あるべき霊性
「求められている霊性」とは
「求められている霊性」とは、その方が今世で到達することを求められている霊性です。生まれ持った、その方にとっての「あるべき霊性」と言い換えてもよいかもしれません。
これは、後天的に獲得するものではなく、その方の魂が、もとから持っている性質のようなものです。
人によって違う
この「求められている霊性」は、人によって違います。そして、中にはとても高い霊性を求められている方もいらっしゃいます。
HSP・クンダリニー症候群の方の傾向
ここは大切な点ですが、HSPの方、クンダリニー症候群の方には、求められている霊性が高い傾向があります。
HSPの方は、人や場所のプラーナ(生命エネルギー)の影響をとても敏感に感じ取ります。クンダリニー症候群の方は、自身の中の強いエネルギーに動かされ、原因不明の心身の症状に悩まされます。
どちらも、その背景には「求められている霊性の高さ」があると、私は考えています。
ギャップが心身の不調として現れる
問題は、「求められている霊性」と「今の霊性」のあいだに大きなギャップがあるときに起こります。
求められている霊性は高いのに、今の霊性は一般の方と同じくらいにとどまっている。このギャップが、痛み、痺れ、吐き気、疲れなどの体に現れる症状や、心の乱れとして現れることがあります。
つまり、HSPやクンダリニー症候群の方々の不調は、「弱いから起きている」のではなく、「本来高くあるべき霊性が、今の生活のなかで十分に高まっていないから」起きている。そう捉え直すと、苦しみの意味が少し違って見えてくるかもしれません。
HSPやクンダリニー症候群の霊性的考察については、それぞれ別記事で詳しくお話しします。
→ HSPとは何か ─ 霊性から見えてくる、敏感さの理由
→ クンダリニー症候群とは ─ 原因と、回復への道
3つの霊性の関係 ── 比較表
ここまでお話ししてきた3つの霊性を、ひとつの表にまとめます。
| 種類 | 特徴 | 変化 | 向き合い方 |
|---|---|---|---|
| 今の霊性 | 普段「霊性」と呼ばれているもの | 日常で上下する | 日々の行で整える |
| 適正霊性 | 今、到達できる上限 | 修行で引き上げられる | 高く保ち続ける |
| 求められている霊性 | 生まれ持った、あるべき姿 | 動かない | 超えていく目標 |
3つの違いを一言で言えば:
- 今の霊性 は「今この瞬間の状態」
- 適正霊性 は「今、自分が出せる最大値」
- 求められている霊性 は「本来あるべき姿、目指す指標」
3つの霊性をどう考えるか
ここまで読んでいただいて、「3つの霊性をどう考えたら良いのか」と思われた方もいらっしゃると思います。
「今の霊性」は、頑張りによって変わる霊性
今の霊性は、自分で高めることができる霊性です。
- 日々の行で高められる
- 感情が乱れにくくなれば、下がる機会が減る
体の不調は今の霊性が下がっている合図かもしれません。体調の変化を感じたら、祝詞やお経を唱えて今の霊性を高めましょう。
同じように不快な感情に飲み込まれているときにも、今の霊性を上げることで落ち着きやすくなります。
「適正霊性」は、引き上げられる霊性
適正霊性は、主にご神仏、師匠、教えに引き上げられることで高まる霊性です。
格式の高い教えを信じ、高まりたいという思いをもって、修行に参加することで高まっていきます。
高まった適正霊性を下げないために、修行者は今の霊性を高く保つ努力が求められます。
「求められている霊性」は超えていく霊性
敏感さや、体質の弱さは、求められている霊性の高さかもしれません。
それ自体は辛いことですが、求められる霊性が高いということは、求められるだけの力があるということです。
HSPやクンダリニー症候群、そして原因不明の心身の不調などは、求められている霊性が高いだけ。そう考えると、解決の方法が見えてきます。
どんなに高くても、求められている霊性は超えていける霊性です。
素晴らしい霊性をもって生まれた人と考えることもできます。
結びに ─ 3つを知ることが、出発点になる
霊性を「今の霊性」「適正霊性」「求められている霊性」の3層で見ると、自分の状態や、苦しみの理由、そして成長の道筋が、見えやすくなっていきます。
特に「求められている霊性」という視点を持つと、これまで「弱さ」や「自分の問題」だと思っていた感覚 ── 人より敏感だ、人混みでつらい、原因のわからない不調が続く ── が、実は「高い霊性を持っていて、本来あるべき霊性に近づきなさい」という、内側からのメッセージとして捉え直せるかもしれません。
霊性の全体像については、「霊性とは何か ─ 目には見えない魂の話」でもお話ししていますので、合わせてご覧ください。