
霊性を高めたいと思っても、何から始めればいいのか迷う方は多いと思います。本によって言うことが違う。瞑想やポジティブ思考を続けているのに、変わった実感がない。そんな声をよく聞きます。
霊性を高める方法は、特別な秘法ではありません。先人が長い時間をかけて積み重ねてきた修行を、霊性の高い指導者のもとで素直に続けていくことです。
もう一つ大切なのが、どんな気持ちで取り組むかです。同じことをしていても、高まりの早い人と遅い人がいます。
この記事では、神道・仏教・修験道の修行を続けてきた者として、また霊性の指導者・心理カウンセラーとして見てきたことから、霊性の高め方の根本とコツをお伝えします。これから学び始める方にも、すでに学んでいる方にも役立つように書きました。
お話しする内容は、大きく2つに分かれます。
- 何をするか:格式の高い修行/霊性の高い人に教わる/信じて行う
- どんな気持ちで取り組むか:高めたいと思う/楽しく続ける/霊性を下げない/インナーチャイルドを癒す/日々の暮らしを修行にする
霊性の高い人に教わる
まず、霊性を高めるには、霊性の高い人から教わることが欠かせません。教えには教える人の霊性が宿るからです。同じ内容でも、誰に教わるかで高まり方が変わります。
ただ、霊性の高い人はそれほど多くありません。しかも見つけにくい理由があります。
伝統宗教では、霊性の話は表に出にくい
大きな神社やお寺は、現代社会に適応するために、霊性や魂といった言葉を避ける傾向があります。
私もお寺で信徒さんにお話しするときは「〇〇と言われています」「〇〇と伝えられています」と一般論の形で伝えることがあります。自分の体験として霊性を語る場は、伝統宗教の中にはあまりないのです。
霊性の高い人は、地味で目立たない
霊性を高めるには、地味な修行を長い時間をかけて地道に続ける必要があります。ですから霊性の高い人は自分を飾らず、外から見ると魅力的に見えないことも多いのです。
自分を良く見せる必要がないので、世間の注目を集めようともしません。表に出てくることが少ないため、そもそも出会える機会が多くありません。出会えたとしても目立たないので、なかなか気づけないという難しさがあります。
伝統の修行を、自分で続けている人に学ぶ
霊性の修行は、難しいものではありません。ただ、先ほどお伝えした通り、地味な修行を根気よく続ける必要があります。ある日突然、神の啓示を受けて目覚めるということはありえません。
ですから指導者を探すときは、長い時間をかけて修行を続けてきたかどうかが判断の材料になります。
新しい教団やスピリチュアルの教えには、言葉は素晴らしくても修行の裏付けがないものが少なくありません。知識を語るのは簡単です。教えの素晴らしさより、その人が日々何を行っているかを見てください。
霊性の高い人を見分けるポイントは、こちらで詳しくお話ししています。
→ 霊性の高い人の見分け方 ─ 指導者選びを間違えないために
霊格を高めるには、格式の高い修行が必要です
霊性にはさまざまな要素が含まれています。その中で、霊性が高い・低いというときは、霊性の格式である霊格(れいかく)のことを指します。霊格は魂の成長の度合いです。そして霊格を高めることが、人の生きる目的です。
霊格を本格的に高めるには、宗教的な修行が必要です。ただし、皆さんが思い浮かべる宗教とは少し違うかもしれません。どこかの教団に属するという話ではないのです。
本来の宗教は、霊性を高める方法を伝える学問のようなものです。ヨーガや宗教的な修行には、先人がうかがい知った英知が集まっています。どうしたら弟子の霊性が高まるのか。それぞれの先生方が長い時間をかけて考え、積み重ねてきたものです。
当たり前のことですが、過度なお布施や勧誘は宗教の本質ではありません。
本来の宗教がどういうものかは、こちらでもお話ししています。
→ 独学で霊性を高めるのが難しい理由
当室で行っている修行
当室では、次の4つを修行の基本にしています。
- 祝詞(のりと/神道)
- お経(仏教)
- ハタヨーガ(ヨーガ)
- 呼吸法(ヨーガ)
これに合わせて、山に峯入りをしたり、神社仏閣に参拝したりもします。
インナーチャイルドの癒しとの関係
このサイトでは、インナーチャイルドの癒しという心理的なアプローチを多く説明しています。それには3つの理由があります。
- ホームページという場で伝えやすい内容であること
- 宗教的な修行と併せることで、とても効果的であること
- 癒しを進めると日常生活まで幸せになるという、分かりやすいメリットがあること
霊格の高い指導者のもとであれば、インナーチャイルドの癒しだけでも、かなりのところまで霊格を高めることができます。指導者の霊格次第ですが、悟りといわれるところの入り口までは行けると考えています。
けれどその先、人の力の限界を超えたところへ進むには、インナーチャイルドの癒しだけでは足りません。そこから先は、信仰の世界の力が必要です。
インナーチャイルドの癒しで、霊性が下がりにくく上がりやすい自分になる。そして修行で霊性を上げていく。これが霊性の高め方の基本です。
神仏を信じ、教えを信じ、指導者を信じる
「この人だ」と自信を持って思える指導者が見つかったら、その人を信じて学ぶことです。教えを素直に受け取ってください。
仏教に三帰(さんき)という言葉があります。お経を唱える初めに唱えることが多いものです。
弟子某甲(でしむこう) 尽未来際(じんみらいさい)
帰依仏(きえぶつ)
帰依法(きえほう)
帰依僧(きえそう)
現代語にすると、次のようになります。
仏弟子である私は、未来の果てが尽きるまで、仏さまと、仏さまの正しい教えと、それを護るお坊さまの集まりを、深く信じて心の拠り所といたします。
仏さまと、仏さまの教えと、その教えを伝える僧侶を信じます、という誓いの言葉です。霊性を高めるときも同じです。学びたいと思える指導者に出会ったら、その指導者を信じて、教えをそのまま行うことがとても大事です。
「学ぶ」は「真似ぶ(まねぶ)」が元になった言葉だといわれます。教わったことを教わった通りに行い、自分の中にその型を取り込んでいく。そうすることで指導者の霊性に引き上げられて、自分の霊性も高まっていきます。
教えには教える人の霊性が宿ります。だからこそ、霊性の高い指導者を見つけることが、いちばん難しく、いちばん大事なハードルなのです。
信じて行うことの大切さは、こちらでもお話ししています。
→ 信じて、行う ─ 一枚起請文に学ぶ、霊性向上のコツ
「高めたい」と心から思う
教わったことをそのまま行っていても、霊性の高まりが早い人と遅い人がいます。そういう方々を見ていると、本人の気持ちが大きく影響しているように思います。
根本的なことですが、とても大事なのは霊性を高めたいと思っているかどうかです。
霊性の中の心の部分は、成長すると今の生活が楽になるというメリットがあります。一方で、魂の部分である霊格は、高まっても現世でのメリットが分かりにくいものです。
もちろん魂と心はつながっています。霊性が高まるとインナーチャイルドは癒しやすくなります。特別に癒しをしなくても、霊性の高まりに合わせて心は成長し、楽に生きられるようになっていきます。
それでも、心から霊性を高めたいと思うのは意外と難しいことです。
霊性を高めることで、ふつうでは癒せないレベルまでインナーチャイルドを癒すことができます。そうして本当の幸せを手に入れたいと願う。そのために努力したいと思う。この気持ちを持って修行することで、霊性はより強く高まります。困難にぶつかったときに乗り越える力にもなります。
もし壁にぶつかったら、根本に立ち返って「自分は高まりたいのか」を見直してみるのも良いでしょう。
楽しく修行を続ける
- 好きなことは覚えられるけれど、嫌いなことはなかなか覚えられない
- 自分からやることはすぐ上手くなるけれど、やらされたことはなかなか上手くならない
こういうことは、なんとなく分かると思います。
物事は、自らやりたいと思って楽しくやったほうが、覚えるのも上達するのも早いものです。霊性の勉強も同じです。
皆さんは自分からやりたいと思い、お金を払って学びに来ています。学びたいから学んでいるのです。それなら楽しくやったほうが自分も心地よく、成長も早くなります。
楽しくないと、途中で嫌になってしまいます。変化というのは分かりにくいものです。毎日やっているのに成長していないと感じることもあるでしょう。そんなときも、修行そのものの中に楽しみがあれば、やめずに続けることができます。その続ける力が、いつか大きな花を咲かせることにつながります。
ポジティブに受け取り、霊性を下げない
ストレスや苦しみを感じる状態、感情的になっている状態が続くのは、インナーチャイルドのパターンを再体験している状態です。
この苦しみは、ストレスが心身を傷つけるのと同じように魂にもダメージを与えます。そして霊性が下がってしまいます。
霊性が下がると、やる気がなくなり、感情も乱れやすくなります。すると、さらに霊性が下がってしまいます。
インナーチャイルドに流される(ストレス状態)
⇩
霊性が下がる
⇩
やる気がなくなり、感情が乱れやすくなる
⇩
さらに霊性が下がる
⇩
さらにやる気がなくなる
この負の流れから抜け出すことが大事です。
癒さなくても、パターンから抜け出すことはできる
インナーチャイルドの癒しを知ると、インナーチャイルドを癒さないと自分を変えられないと思うかもしれません。そんなことはありません。癒しをしなくても、人は変わることができます。
いま広く用いられている認知行動療法は、次の考え方をもとにしています。自分の意思で考え方と行動を変えれば、苦しくなる思考・感情・行動のパターンから抜け出せる、というものです。さらに私たちは感情処理法を知っているので、感情の面からもパターンから抜け出すことができます。
インナーチャイルドという言い方をすれば、こうなります。インナーチャイルドがあぶり出されても、そのパターンとは違う考え方・感じ方・行動をすることができるのです。
インナーチャイルドのパターンを知ったうえで、流されない。それができるのです。具体的には、次の2つです。
- 感情処理法や、祝詞・お経で霊性を上げて、まず落ち着く
- ストレスの原因になっている出来事の受け取り方を、ポジティブなものに変える
修行として繰り返しポジティブに受け取っているうちに、次第にポジティブに受け取りやすくなっていきます。
ただし、ポジティブ思考には注意点があります
嫌な気持ちにふたをして、無理に「ありがたい」と思い込むのはポジティブ思考ではありません。感情から目をそらしているだけなので、苦しみの元になっているインナーチャイルドはそのまま残ります。これをスピリチュアルバイパスと言います。
まず「腹が立った」「悲しかった」と自分の気持ちを感じる。それから受け取り方を切り替える。この順番が大切です。
感情から逃げないポジティブ思考の進め方は、こちらで詳しくお話ししています。
→ スピリチュアルバイパス ─ 逃げないポジティブ思考のすすめ
できないところは、インナーチャイルドを癒す
それでも、どうしても流されてしまうところはあります。霊性を下げないためにも、幸せに生きるためにも、そこはインナーチャイルドを癒すことです。
ここまでお伝えしてきたことが、できない方もいると思います。
- 楽しく修行なんてできない
- ポジティブになんて考えられない
それはそれで仕方のないことです。未熟だから成長しようと学んでいるのであって、未熟なことは責められるものではありません。
そして、できない理由になっているインナーチャイルドを癒すことができます。自分の問題点を見つけたら、そこを変えられる。それがインナーチャイルドの癒しのすごいところです。
修行の過程で現れることに、一つひとつ対処していく。それもまた修行の一つです。
修行として行うインナーチャイルドの癒しは、こちらでお話ししています。
→ 修行としてのインナーチャイルドの癒し ─ 気づくことから始まる、心の修行
日々の暮らしも修行になる
人は社会の中で成長していきます。
学校、仕事、家庭、健康。あらゆる場面で人は困難に出会い、苦しみに向き合っていきます。その過程には多くの気づきがあります。考え方によっては、日常生活は修行の日々です。その中でもがき苦しみ、適応しようとする努力が人を成長させます。
霊性の勉強をしている人は、社会の中で感じる苦しみを修行として意識して取り組むことができます。
- なぜ苦しいのかを考えてみる
- できなかったことをやってみる
- 自分を曲げないと折り合えないことを受け入れる
- 自分の無力さに気づく
こうした日々の暮らしの中での学びも、霊性が高まる土台をつくります。
よくある質問
Q. 本や動画で、独学で霊性を高めることはできますか?
霊性についての知識を学ぶことは、独学でもある程度できます。けれど、知識を知ることと霊性を高めることは別のことです。
効果のある修行法には危険も伴うため、本では肝心なところがぼかされていることが多くあります。間違ったやり方をしていても、独学では自分で気づいて直すことができません。霊性を高めるには、修行の裏付けのある指導者に教わることが近道です。
Q. どのくらい続ければ変化を感じますか?
敏感な方であれば、すぐに変化を感じると思います。敏感でない方は、しばらく変化を感じられないかもしれません。
霊性の高さは、感じ取るのが難しいものです。けれど霊性の低さや、霊性を下げられたときの感覚は分かりやすいものです。敏感な方の中には、修行をしていなくても、それを不快な感覚や疲れとして感じ取る方がいます。疲れやすさに苦しんでいる方の中には、霊性が下がったことが原因になっている方もいます。そうした不快な感覚や疲れが軽くなっていくことが、いちばん分かりやすい変化だと思います。
また、気持ちが落ち着きやすくなる、出来事の受け止め方が変わるといった心の変化は、比較的早く感じる方が多いです。ただ、こちらも人それぞれです。
感情を感じないようにしていたり、感情と距離をとっていたりする方は、ご自身で変化を感じるまでに少し時間がかかるかもしれません。
Q. インナーチャイルドの癒しだけで、霊性は高まりますか?
霊性を高めたいという思いと、指導者の霊性の高さがあれば、インナーチャイルドの癒しだけでも霊性は高まります。
指導者の霊性次第ですが、かなりの高さまでは、インナーチャイルドの癒しだけで引き上げられる可能性があります。けれどその先には、人の力ではどうにもならないレベルがあります。さらに上へ進むには、信仰の力が必要になります。
まとめ ─ 正しい修行を、正しい心で続ける
霊性の高め方の根本は、次の3つです。
- 伝統に裏付けされた、格式の高い修行をする
- 霊性の高い人に教わる
- 神仏と教えと指導者を信じて、教わった通りに行う
そして、高まりを早めるのは取り組む気持ちです。
- 心から「高めたい」と思う
- 楽しく続ける
- ポジティブに受け取り、霊性を下げない
- できないところはインナーチャイルドを癒す
- 日々の暮らしも修行として取り組む
霊性は、特別な秘法で一気に高まるものではありません。地道な修行を、正しい心で淡々と続けていくことで高まっていきます。
霊性そのものについては、こちらでお話ししています。
→ 霊性とは何か ─ 目には見えない魂の話